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呼吸困難のある利用者に訪問するときのポイントと気を付けることは?【訪問看護】

訪問看護で利用者に訪問をするとき、呼吸困難を訴える利用者も多くいます。

弊社でも呼吸困難の疾患を持つ利用者は大変多くいます。

訪問看護では、なぜ呼吸困難があらわれているかというアセスメントを適切にして、主治医やケアマネジャーに迅速に報告する義務があると考えます。

この記事では、呼吸困難のある利用者に訪問するときのポイントや気を付けることを中心に解説してまいります。

特に訪問看護初心者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

呼吸困難の原因を頭に入れておく

まず、事前準備として呼吸困難を生じる原因を頭に入れておく必要があります。

おそらく、訪問する前にはどのような疾患を持つ利用者かという事前情報を、ケアマネジャーからの「申込票」や主治医からの「訪問看護指示書」で得ているかと思います。

それらの情報をしっかりとチェックして、生じると考えられる疾患の原因はおさえておくと良いでしょう。

呼吸困難では、主に以下のような原因が考えられます。

このような原因を頭に入れておくことによって、評価をスムーズに行うことができるようになります。

利用者から情報収集をする

利用者、または家族から得られる情報はかなり大切です。

なぜなら、訪問看護は病院と違い、常に状態を把握することはできません。

そのため、訪問看護が介入していない時間はどうだったかを聴取する必要があります。

呼吸困難の利用者には、以下のような内容を聴取すると良いでしょう。

もちろん、高度の呼吸困難で会話が難しい利用者に対して過度な問診をするのは控えましょう。

場合によっては、すぐに救急搬送や医師に連絡することが望まれます。

バイタルサインを測定する

バイタルサインとは利用者の生命に関する最も基本的な情報であり、心拍数・呼吸数・血圧・体温の4項目を指します。

バイタルサインを測定すれば利用者の状態を客観的、かつ数値で把握することができるため、かなり重要な情報となります。

そのため、弊社では看護師、リハビリスタッフともに訪問をしたらまずはバイタルサインを測定します。

バイタルサインを測定して、いつもと変わりがないかをチェックしましょう。

特に緊急度が高い状態をして、「頻呼吸」「徐呼吸」「SpO2の低下」が挙げられます。

意識レベルを評価する

利用者との会話やバイタルサインを測定しているとき、同時に意識レベルを評価すると良いでしょう。

呼吸困難による低酸素状態を引き起こすと、意識レベルの低下を示すことがあります。

意識レベルの評価には、「JCS(Japan Coma Scale)」や「GCS(Glasgow Coma Scale)が主に用いられています。

顔面や皮膚の色をチェックする

呼吸困難では酸素を上手く摂取できなくなっていることが多く、「チアノーゼ」として体に現れることがあります。

チアノーゼとは、血液中の酸素の不足が原因で皮膚が青っぽく変色する状態です。

チアノーゼは、大きく「中心性」と「末梢性」に分けることができます。

中心性チアノーゼは心機能の低下で出現してくちびるが青くなり、末梢性チアノーゼは血管系の狭窄や閉塞で出現して手足が青くなるという特徴があります。

この中でも中心性チアノーゼを認める場合は速やかに酸素を投与する必要があるため、その場で医師に報告をすることが望まれます。

また、指を見ることによっても低酸素の状態を推察することができます。

長期間低酸素状態が続いている場合は、「バチ状指」を認めることがあります。

バチ状指は、指の先端が広くなり、爪の付け根が隆起し、凹みがなくなった状態を指します。

通常であれば人差し指どうしを合わせたときに隙間ができるが、バチ状指の場合は隙間ができないという特徴があります。

呼吸音を聴診する

呼吸困難は、呼吸音を聴診することによっても疾患を推察することができます。

副雑音(ラ音)と疑うべき疾患は以下の通りです。

もちろん、呼吸音を聴診するには聴診方法の基本をおさえておく必要があります。

ただし、正確に呼吸音を聴診するには、それ相応の経験が必要となります。

弊社では初心者でも理解がしやすくなるよう、弊社スタッフ限定で研修動画サービスを提供しています。

実際の音の違いなどを分かりやすく解説しています。

弊社専用のサーバー内にアップロードしているため、いつでもどこでも視聴できるのが特徴です。

スタッフ専用ページはコチラ

そのほか評価するべきポイント

以上、呼吸困難の利用者に対して主に評価するべきポイントをお伝えしました。

もちろん、ご紹介したのはあくまでも基本的なものであり、利用者によって十人十色であることはご承知ください。

そのほか、評価するべきポイントとしては以下のようなものが挙げられます。

  • 胸郭の位置や拡張性
  • 気管の偏位の有無
  • 呼吸パターンの評価など

主治医やケアマネジャーへの報告・連絡・相談

何かいつもと違うことが起こったとき、主治医やケアマネジャーへの報告・連絡・相談は重要です。

なぜなら、私たち訪問看護が単体でできることには限界があり、チームアプローチとして利用者に関わることが求められると考えているからです。

特に弊社では、よりよい関係性を築かせていただきたいという思いも込めて、多職種へとの連携を重要視しています。

緊急性が高いと判断できた場合は、その場で主治医に連絡、もしくは救急搬送の対応をするようにしましょう。

いきいきSUN訪問看護ステーションのサポート体制

このようなポイントをおさえていたとしても、訪問看護は一人で訪問をすることが多いという特徴柄、いざ予期しない出来事に遭遇すると焦ってしまうものです。

特に初心者の方だと不安を抱えてしまう人も多いでしょう。

いきいきSUN訪問看護ステーションでは、以下のようなサポート体制によって、スタッフが安心して訪問をできる環境を整えております。

①ICTの活用にて遠隔でもサポートが受けられる

弊社では業務効率化を目的に、さまざまなICT技術(電子カルテシステム・コミュニケーションツール・情報共有ツール・IP電話ツールなど)を活用しています。

スタッフにはスマートフォンを貸与しており、チャットシステム(Synologychat)を利用すればいつでもスタッフ間でメッセージのやり取りをすることができます。

もちろん、緊急の際や自分一人での判断に困る場合は、電話で管理者が対応いたします。

②動画研修サービスの充実

訪問看護は利用者の自宅に訪問をするという業務のため、事務所にいる時間が限られます。

そのため、勉強会を開くとなると時間外になってしまうことも少なくありません。

その点、弊社ではいつでもどこでも研修を受けられるよう、動画研修サービスを充実させています。

専用のサーバーに動画をアップしているので、貸与したスマートフォンからいつでもどこでも視聴することが可能です。

訪問のスキマ時間に見ているスタッフも多くいます。

VTuberの採用、フルテロップなど分かりやすいと大変好評です♪

「訪問看護に興味がある」「初心者だけど大丈夫かな」

このように思っている方は、ぜひいきいきSUN訪問看護ステーションで働いてみませんか?

ステーションの見学だけでも大歓迎です!!

参考文献・参考サイト